Sometimes I’m happy

この曲はCarmen Mcraeの「By special request」に入っている曲で、一時期「Carmenのタイム感を身に着けたい」という目的で、完コピを目指してお勉強用に歌っていた曲です。
バイ・スペシャル・リクエスト

歌い始めた動機が「勉強用」ということもあって、歌がなかなか身体に染み込まず、どうも自分の歌にならないな〜と思っていたのですが、今日来てくださった友人(美女)が、だんな様とケンカをしてしまって・・・ちょっと気分転換をしたい、ということだったので、この曲を歌おうと思いました。


Sometimes I love you, sometimes I hate you
But when I hate you, it's 'cause I love you


きっと夫婦になって、四六時中顔をつき合わせていると、「顔を見るのも憎たらしい」と思うこともあるのでしょう。私は残念ながらその経験がないのですが、聴いてくださる人の状況を、気持ちを想像して歌をふくらませていく。

目の前にいる人の顔を見て歌うことで、音の選び方、ブレスの位置、言葉のタイミング、スペース、ダイナミクスの変化のさせ方・・・=気持ちの入れ方が変わってくる。歌が変化することで、演奏も変化して、曲が自分たちのものになっていくのだなあ、と。

スタンダードソングを歌うということは、スタンダードの普遍性の中に自分の経験や想いを投影することだと思っているのですが、必ずしも曲に自分の経験が重なるわけはなく、むしろ等身大で歌える歌は数少ない。人生経験の少ない?私でも、こうして聴いてくださる方のために選曲することで、その曲への想いが肉付けされ、歌に背景ができて立体的になってくるなあ、と。

そんなことを実感できた今日のSometimes I'm happy。「好きだからけんかもしちゃうのね」と言って帰っていった友人とだんなさまのために。