修行

立春の今朝、親しい人が300日修行に永平寺に旅立っていきました。
「自分自身を一度壊し、自我をなくして、そこからもう一度自分を見つける」目的で。



ちょうど今日この映画を見ました。
http://www.zen.sh/
禅 ZEN曹洞宗の開祖「道元」の生涯を描いた作品。主役の中村勘太郎他、出演者が皆さん好演されていて清々しい気持ちになりました。CG(道元が悟りを開くシーン、大きすぎる月)がなければもっと感動できたかも。仏教専門用語が多く、意味が分からない部分が多々ありましたが、あとでパンフを購入してお勉強。禅入門編として良かったです。


もう少し知りたくなったので、この本を購入。30歳の会社員が出家し、永平寺での修行を記録したノンフィクション。一度読みましたが、永平寺の修行は壮絶なもののようです。作法を体で覚える為に殴る、蹴る暴力で叩き込まれるシーン、栄養失調で入院する者が続出するくだりには驚きで本を閉じそうになりました。世界でも「ZEN」ブームだそうですが、表面だけ捉えると穏やかで静かな印象がある「禅」、それは過酷な修行を通してこそ身に付くものなのだと。昨年末に英語版も出版されたようです。
[asin:4101231311:image:small]英文版 食う寝る坐る - Eat Sleep Sit: My Year at Japan's Most Rigorous Zen Temple


「人間は食べて、排泄する生き物。そのあるがままを受けいれる。」
「あれが食べたい」「ここにいきたい」「こうなりたい」と欲望で日々を生きている私にとって対局にある言葉。全く相容れない世界だとも思います。ただ、この世界に少し触れたことで、毎日の色々な情報や関係性の中で「私はいったいどうしたいのか?」揺れまくっていた自分の心が少し穏やかになったように思います。


私の修行は、音楽という世界の中で自分自身を表現していくこと。その自分自身は日本の東京にいる自分そのまま。それ以上でもそれ以下でもなく、これまで出会った人々から経験させていただいたこと、これまでに感じた数々の想いをこれまで触れてきた音楽の形、自分の声で伝えるということ。等身大であること。